想いは手法の上流にあり
2017年がスタートした。
今年は、『酉(とり)年』。しかも『平成29(にく)年』だ。
年号が変わらぬ限り、一生に一度あるかどうかの奇跡的なゴロの良さだ。凄い。
大手FFのCMでは、『酉(とり)29(にく)年』なんて言って鳥業界を盛り上げようとしてくれている。
社内でも、年明け仕事始めの会議で、「今年はとりにく年です」なんて言ってた社員がいたな。(遅いわっ。)
とにもかくにも、良い年にしたいなと改めて心から想う。
想いといえば。。。。
僕は、これまで社員の結婚式に数多くお呼ばれしてきた。
若輩者ながら、肩書だけは偉そうに『社長』なんて事になってたので、
主賓スピーチを賜る機会が多くあった。
そして必ず、スピーチの最後には新郎新婦に贈る言葉として、
『想いは手法の上流にあり』
という言葉を贈ってきた。これは僕の座右の銘でもある。
『どんなにテクニックを使っても、どんなに難しい技術を持ったとしても、
そこに“想い”が無ければ伝わらないし意味をなさない。
上手じゃなくてもいい、小難しい技を使えなくてもいい、
“想い”を大切にして、ちゃんと伝えあえる夫婦になってください』
と。
“想い”とは。。。。。
車で言うなら、「車体」が道具(手法)、「ガソリン」が“想い”というところかな。
どんなに素晴らしい車体があったって、ガソリンが無ければ走らない。(最近の電力自動車などは違うが。。。)
という事になる。
でも、逆に考えてみる。
「じゃあ、ガソリンがあれば車体が無くても走れるのか?」と。
答えはNOなんだな。
ガソリンは、車体があって初めて、意味をなすもの。
車体は、ガソリンがあって初めて、走れるもの。
両者は一対なのである。
『想いは手法の上流にあり』の言葉には、まだ続きがあって。。。。。
『手法なき思いは無力なり』という言葉がセットで隠れてる。
これを外食業に当てはめてみると。。。。
『料理と店舗設備』が手法・技術かな。
『もてなしの心と歓待の気持ち』が想いかな。
「うまいもん出してりゃ客は来るんだよ」なんて声も聞こえてきそうだが。。。。
そうした方々は、そちらの方向に思想を馳せて頂くとして。。。
僕はそうではない。
喜んでもらいたいと思う気持ちと、来てくれてありがとうという感謝の気持ち。
美味しい料理ときれいなお店。
これが一対となっていなければ、お客様には愛してもらえないと想っている。
愛してもらえた数が、お客様の数。
愛してもらえればもらえるほど、お客様は増えてくれる。
そう信じてやっている。
若かりし頃、大好きな人を自分の部屋に初めて招くとき、皆さんはどうしただろうか?
僕は、部屋を整理し、掃除機をかけ、ごみ箱をきれいに片づけ、流行りのCDなぞを用意して、
マンガ本(ジャンプとかヤンマガとか)は隠して、当時のファッション誌(ホットドッグプレスとかポパイとか)をさりげなく置いてたな。
似合わないと言われてもそうしてました。
あの時の、「大切な人を招き入れる新鮮な気持ち(想い)」を持ち続ける事が、大切だと今でも信じている。
時代が変わってもそれは変わらないのではないかな。
いつの時代だって、「大切にされているな」と相手が感じてくれれば、その人はまた来てくれるはず。
より一層、仲良くなってくれるはず。愛してくれるはず。
初心というには、あまりにも遠い(30年前)、昔の想い出話ではあるが、
そんな想いを、改めてちゃんと大切にして今年を始めようと感じている。
とり鉄にかかわるすべての人たちへ。想いを大切に。
最高の『酉(とり)29(にく)年』を謳歌してやりましょう!!!